唐の時代、科挙に合格し、役人になったものの、中央でうまく立ち回れず、役人を辞めて隠遁した常建という詩人がいます。
実際に辺境に赴いたことはないものの、空想で,壮絶な防人の歌を詠みました。
塞下曲 常建
北海阴风动地来
明君祠上望龙堆
堵漏竟是长城卒
日暮沙场飞作灰
砂漠の湖から立ち上る陰気を含んだ風が、大地を削るように吹き渡る。
匈奴に嫁がされた
悲劇のヒロイン、王昭君の墓から
龍体のような砂漠を眺めると
防人達の髑髏があちこちに散らばっている。
四六時中風に吹かれて、骨は砕け
灰となって風に舞う。
…なんとも不気味な内容です。
さて、私の足元でパリパリ音を立てる色あせた落ち葉も、やがて、最後の色を失い、乾き、砕け、土になる。
生命の長さは違えど、辿るサイクルは人間も同じ。。
ふと、生きることに感じるどうしようもない虚しさと世渡り下手ゆえの失意。
心の風景は、空想の世界を創りまた、目の前の風景をも虚しく切り取るのでしょう。
今朝はこうして、落ち葉を踏んで歩きつつ、一人静かに千古の昔人の失意に寄り添っています。
běi hǎi yīn fēng dòng dì lái
北 海 阴 风 动 地 来
míng jūn cí shàng wàng lóng duī
明 君 祠 上 望 龙 堆
dǔ lòu jìng shì cháng chéng cù
堵 漏 竟 是 长 城 卒
rì mù shā chǎng fēi zuò huī
日 暮 沙 场 飞 作 灰
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